●「わかったふり」をやめて、中核的なイメージを掴む

2022年現在、SDGsという言葉がよく使われています。おぼろげなイメージを持たれている方、「なんとなく重要だ」「知っておかねばならない」という意識をお持ちの方など、様々かと思いますが、「わかったフリ」をして済ませている方も、少なくないのではないでしょうか。

SDGsは国際連合において策定された、2016〜30年という長い規模で達成することが目指されている、極めて射程の広い「目標」です。国際機関や政府が啓発のために発行している書類も多く、調べれば多くの情報が見つかります。

しかし、特に公的機関の情報は抽象的な言葉遣いも多く、書籍などであってすら「わかっているようでよくわからない」言葉も出てくるため、見取り図をつかみにくく、イメージをとらえにくい、ということがあるかもしれません。

そして、調べてみてわからないことがあっても、あまりにも常識のように語られているため、「身近な人（友人、同僚など）には今更訊けない！」ということもあるかもしれません。

本講義はそんな方を対象として、SDGsについてザックリした、しかし一歩進んだイメージを掴むことを目的とします。これは、ご自身で調べ、知識を整理し、更には生かしていくための足がかりをご提供したい、ということです。

こうした目的に即し、前半部では、（1）「持続可能な開発」とはどういったものか、（2）先行する国際社会での開発目標であったMDGsとの比較において、SDGsは如何なる特徴を持つか、という観点を中心に、SDGsとは何か、ということについて話していきます。

基本的な方針として、細かい歴史的背景や専門用語の類は混乱の元と考え、思い切って省略します。