桜蔭中学校の国語の特徴と対策法がわかります。
中学受験国語界では最高峰の問題
→文章、設問、時間制限、様々な要因が絡み合い、中学受験の国語の問題としては最高峰の難易度の問題になっている。
本質的な国語力を問う問題
→基本的にオール記述式であり、小手先の読解テクニックやパターン処理が通じない。対比、言い換え、因果関係というシンプルな論理思考を突き詰めて問うてくる本質的な読解問題。設問がシンプルであるが、その解答を書くに当たって多くの要素を勘案する必要があり、結果、塾間で模範解答が割れることが恒例である。
知識問題はサービス問題として出題される
→漢字の書き取りや語彙問題がサービス問題的に出題される。難易度は高くなく、絶対に落とせない。
論説系文章と小説系文章の二題形式
→論説系文章は、硬派でアカデミックなものが多い。いたずらに難しい文章を出すわけではない。「本質を見抜くことの大切さ」「可視化されない価値を重んじることの大切さ」を論じた文章が毎年のように出題されるので、ある意味一貫している。毎年同じことを文章の題材を変えて問うてくると考えれば、設問で何を書くべきかも自ずと見えてくる。小説よりは対策がしやすい。
→小説系文章は、中身がいたずらに難しいわけではない。中学受験生としてしっかりと勉強したり、日常生活を送ってくれば内容的には読める。「人間にとって言葉とは何か」という哲学的テーマを連想させるような小説が多い。設問がシンプルであるが、非常に難易度が高い。全体的を俯瞰して読む力と精読の両方を試され、それを短時間で論理的に言語化することが求められる。
毎年「超難」の目玉問題が二問程度盛り込まれている
→論説、小説それぞれに、「超難」レベルの問題が毎年盛り込まれている。50分の試験時間でまともに解答することはほぼ不可能な問題である。桜蔭中学がどの程度の思考レベルを求めているか知るのに非常に良い研究材料となる。
①論説系文章の対策
桜蔭中学の論説系文章は、題材を変えて、同じテーマを問うてくる。 桜蔭中学がどんな生徒を欲しているかのメッセ―ジである。
→「定量化・可視化できないものの価値(本質)の大切さ」が一貫したテーマである。
一貫したテーマではあるが、題材は毎年変化する。よって、どんな話題を出されても精度高く読解できる体系的な知識が要求される。評論用語集などで、論説系文章頻出の話題を体系的に知っておくとかなり良い。また、「一般的に~~」「絶対的に~/相対的に~」「概念・観念」「近代社会・現代社会」「文化・文明」といった基礎的な評論用語は自ら記述できるレベルに落とし込む必要がある。
→評論用語の理解によって、論理的思考が形作られる。小説よりも先に取り組もう。
→おすすめ参考書のリンクあり
②小説系文章の対策
かなり長文の小説が出題される。いたずらに難しい内容ではないが、速く読むためには、日常的に語彙調べや、自分の知らないことをリサーチして教養自体を高めておく必要がある。
→受験参考書では音読を三回し、わからない言葉はすべて調べる習慣をつけよう。
感情語、心情語を自由自在に使えるようにしよう。感情語が載っているテキストを読み込み、日々の小説の記述問題でその言葉を使うようにしよう。
→説明欄にリンクあり
「人間にとって言葉とは何か」という哲学的テーマを連想させる題材が多い。余裕があれば、「14歳からの哲学(池田晶子)」の最初~p37あたりを読んでおくとよい。
→説明欄にリンクあり
③全体的な対策
・漢字をスムーズに使いこなせるように早めに対策しよう(同音異義/同訓異字は特に注意)
漢検を利用して、小学校指導要領漢字1026字はなるべく早くマスターする
・自分の頭で論理的に考えて結論を出す習慣をつける
毎年、その場で自分で考えないと解けない問題が出題される。変に難しい文章を読んだり、難しい講座を受講するのではなく、日々の受験参考書の文章を掘り下げて考えて見よう。「文章の要約」「象徴表現の読み取り」「論理の飛躍部分の説明」等をプロの先生に長期間鍛えてもらうと良い。ただ本質的な国語力&桜蔭中学の出題傾向について理解している先生を選ぶ必要がある。
・過去問は10~20年分用意してみる
5~10年分は時間気にせずじっくり解く→夏前二週間に一題くらいずつ
→桜蔭レベルを早めに味わおう。日々の勉強の取り組みが変わります。
→無理に得点しようとせず、時間をかけて考えて、しっかり解説してもらう
5~10年分は実際の時間制限をかけて解く→夏休み以降取り組む
④全体的な対策
全文を読んでから、「解ける問題」を先に解く
→難易度が高い問題がランダムに配置されている。
→「200文字問題=超難」という訳でもない
→全体を踏まえて書かせるような設問が多く、部分的に読んで答えると論ズレを起こす危険がある。(特に小説)
→確実に根拠が読解できた問題のみを記述する。「よくわからないけどとりあえず書い」てもオール記述なので、ほぼ確実に0点になる。確実に解答方針が見える問題(見えるまで考えてから)を解く。