異文化環境で仕事や学業で成果を出すためには、その環境における周囲の人から評価や信頼を得なければなりません。

そのためには仕事で期待されている成果を出す、効率的に仕事をするなどいろいろあるかもしれませんが、まずそれらの土台になるのが「できるだけ現地の暗黙のルールや常識というものに沿って行動やコミュニケーションを行っていく」ことです。

そのためにはまず、現地でどのような暗黙のルールがあるのか、どのような場面で、どのような振る舞いやコミュニケーションが期待されているか、何が常識なのかを知っておく必要があるということです。

また、あなたが異文化で目にする相手の行動やコミュニケーションに適応していく上では、それを真似しようとする過程で本来の自分を見失ったり、相手が行うのと同じように振舞うことに限界を感じることもたくさんあります。それを異文化適応における心理的負担と言います。

この講座では、そのような心理的負担をできるだけ軽減しながら、なおかつ相手の暗黙のルールや常識に適応するために、自らの行動やコミュニケーションをいかに調整・カスタマイズするかの手法を解説しています。

この講座は「Global Dexterity手法 (*)」という異文化適応手法をもとに作成しており、その公認トレーナーが指導を行うものです。

少しでも異文化環境での仕事や学業が楽しく、実りのあるものとなるよう、この講座がお役に立てますと誠に幸いです。

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【Global Dexterity手法】

アメリカのBrandeis大学で異文化理解・異文化コミュニケーションの研究、指導を行うAndrew Molinsky教授が開発した異文化適応手法。

この手法をまとめた同教授による著書『Global Dexterity: How to Adapt Your Behavior Across Cultures without Losing Yourself in the Process』は異文化環境、グローバル環境で仕事をする者が習得すべき異文化適応手法として世界で高く評価されている。

一般的な異文化理解、異文化コミュニケーションについての研究や指導手法は、特定の地域や各国での典型的な行動やコミュニケーション作法を紹介したり、「よくあるケース」を紹介しその文脈における異文化適応に触れるに留まるものがほとんどである。

また、そうした研究や指導では欧米諸国や一部のアジア地域のみが対象となっていることがほとんどで、それ以外の地域や多様な文脈、状況でも適応できるとは言い難いのが実情である。

さらにそこでは実際に異文化環境で仕事や学業を行うものにとって、それに異文化に適応しようとする段階で外国人が経験する「心理的負担」という側面が軽視されている。

そこで同著は「本来の自分を維持しながら、いかに状況に応じた異文化適応を行っていくか、いかに直面している文脈に応じて行動やコミュニケーションをカスタマイズしていくか」を解説している。これは国や地域の違いのみならず、どのような状況でも適応することができ、なおかつ異文化適応にあたっての心理的な負担を軽減する手法として高く評価されている。